全体の音を聞いて一番自然に落ち着く所にすっと入っていけたら良い。

このページは生徒さんインタビューシリーズ。第7回目は声楽家であり合唱指導者、ヴォーカルアンサンブル「カペラ」に所属されているMさんと、そのお弟子さんである、カウンセラーのOさんにお越しいただきました。インタビュー、どうぞよろしくお願いします。


まず最初に、この教室を選んだきっかけは?

Mさん:七沢賢治先生という伯家神道の伝統を引き継いでいるという先生の本を、たまたま読みまして。それは日本語と母音との関係とか、日本語はいかに優れたスピリチュアル的な言語であるかという内容なんですが、その中に分離唱のことが書かれていたんです。

分離唱が素晴らしいと書かれていて、分離唱でやるということが日本語の良さを引き出す…というようなことが書かれてありました。そこから調べ出したんだと思います。

それで佐々木先生の「耳を開いて心まで」を取り寄せて読んで、それを実践して教えてくださるところはあるのかと…、ネットで「分離唱」で検索して探して、ようやくこちらにたどり着いたって感じですかね。

最初は別の先生のところへ行ったりもしたんですが、レッスンとして教えて下さるような体制になってない感じだったので。それでまた色々調べてみて、こちらは唯一教えて下さるということをやってる感じだったんです。

Oさんも本を読まれたんですか?

Oさん:私は…難しそうだから実は読んでない(笑)図書館にあったんで手には取ったんですが…。

じゃあ、Mさんがレッスンを受けるようになって、その感想を聞いて興味を持たれた?

Oさん:そうですね。

Mさんはアカペラのグレゴリオ聖歌を専門に演奏活動もされてますけれど、そこでは純正律的にハモるってことはあまり言われないんですか?

Mさん:グレゴリア聖歌は基本的に単旋律ですので、ハモるということがなかなかないんですね。むしろプロの合唱団だとどっちかというとハーモニーの第3音、例えばドミソのミは高めに…旋律的には高めに取りますね。

なんか合唱団の中には純正律にとても詳しい方なんかもいて、そう言う方の質問等に応えるためにも自分でも体験的に分かるようになりたいって思われたと仰ってましたね。

Mさん:まあ、そうことですかね。純正律自体は前から興味があって、本当のところが知りたいと思っていて、いろんなところに訪ねてみたけれど、実際にやってみて納得できるっていうか、理屈じゃなくて教えていただけるところを探していたんですね。

佐々木先生の本を読んでいても、ピアノで分離唱をやるって事に、色々疑問があったり…。減衰していく音に合わせていく、それから調律の狂ったピアノにも合わせられるって書いてあるけれど、しかし、狂ったピアノが減衰していく中で、それに合わせるってそりゃ大変だろうなぁと思いまして…。

まあ一応、その狂ったピアノの和音にもその中で一番ハモる音を出すことは可能なんですが、僕もそうだったんですけれど、ピアノでやると悟るまでにちょっと時間がかかるんですね。もちろん個人差はあると思いますが、僕はそうだったんです。

それで、自分が教えるようになって、たまたまひらめいて電子ピアノの純正律オルガンを使ってレッスンしてみたら、効果が出るのが早かったんです。
ですから、最初は導入として純正律から始めて、その後いろんな古典調律を楽曲に合わせて使ったりして、最終的にはピアノの和音にハモるという移行の仕方だと分かりやすいと思ったんです。

Mさん:なるほど。

Mさんは、ご自分が実際にレッスンを受けるようになってどう感じましたか?自分の感覚とか、何か変わったこととか、ありますか?

Mさん:やっぱり、純正律の理屈…独学ですが少しは勉強していて、3音は低いだ…、5音は高いだ…とか、今まではアカペラでやるときは3音だからちょっと低めに狙う…とか、5音だから薄めに高く歌うか…とか、なんとなくコツで、合唱やってきたキャリアの中でやって来たところがあった。

でもレッスンを受けさせていただいて、先生がいつもおっしゃるように、「高いとか低いとか狙うのではなく、全体の音を聞いて一番自然に落ち着く所にすっと入っていけたら良い」ということで、そういうふうに考え方が変わってきましたので、狙わなくなりました。それがこのレッスンのいいところですね。

やっぱり、高めだとか低めだとか言っても、一体どれくらい高かったり低かったりというのが曖昧ですよね。本当は、「ハモる」か「ハモらない」かの2択しかないと思うんですけれど、この辺…っていうある程度の目安をつけるのはいいとしても、最終的には感覚で自然にそこへ行くというのが一番いいですね。

Oさんはいかがですか?

Oさん:私もハモるという感覚が、どういう風になのがハモるというのか分からなかったんですが…。

Oさんは長年、合唱をされてますよね?

長年でもないんですけれどもね(笑)私はどっちかっていうとハーモニーをやるっていうよりも一人で歌いたいタイプなんで(笑)、人の声、あんまり聴いてなかった(笑)

パートはソプラノが多かったんですか?

Oさん:いや、声域としてはメゾなので、時にはソプラノになったり、アルトになったりしますけれども。

でも本当にハモったっていう感覚を感じたことは今までそんなになかった?

Oさん:そんなこともないんでしょうけど、でも前より人の声に合わせて歌えるようになってきました。
あと、前よりも倍音が聞こえてくるようになりました。

へ~。それは良かったですね。ところで、もしこの教室のレッスンをお薦めするとしたら、どういう人に紹介したいと思いますか?

Mさん:ハーモニーを頭でわかろうとすると限界ってある。あるいは、わかったつもりになっちゃう…。私みたいな合唱指揮者は意外とおおざっぱな感覚だったりするんです。
アンサンブルをアカペラでやる方が増えても、平均律のピアノをたたいて合わせるという形からは抜け出してないと思いますし、純正律といっても、あいまいじゃないかな?と思います。ですから、合唱指揮者やアカペラを指導される方にお薦めしたいです。
そういう耳を持てるかどうかですよね。受け入られるかどうかだと思います。

合唱の指揮者や指導者は、音大の声楽科出身の人が多いんですか?

Mさん:いや、そんなことないですよ。半分以下だと思う。作曲科から行く人とか、器楽奏者から行く人とか、なんといっても一番多いのは、学生時代、大学のグリークラブの副指揮者をやっていて、そのまま指揮者にスライドしていった方だとか。

日本の音大には合唱科というのがないので、歌といえば声楽科になっちゃうんですね。声楽科になると、オペラ歌ったり、ソロの曲歌ったり、どっちかっていうとハモるというより、声が通るとか、表現できるとか…勉強の仕方はかなり偏っていると思います。

合唱の層は厚いのに、まぁ日本の合唱レベルは高いとか言われていますけれど、本当の意味での底上げしたレベル…、ハンガリーの合唱団とかがアカペラで来ると、もう本当にきれいな演奏でレベルが高いわけですが、そこまでは行ってないと思います。さっきの質問でいえば、逆に声楽家の人が指導者をやるとむしろ大変だろうと…。

ハーモニーをわかっている方はどれくらいいるんでしょう?指揮者って。純正律的な美しいハーモニーというのをわかってないといけないと僕は思うんですが、実際はどうなんでしょう?Oさんはいろんな合唱団に所属していらっしゃいますが…。

Oさん:そうですね、基本はある程度のレベルをやるためにきちんとハーモニーが分かっていてハモれないといけないと思うんですけれど、ピアノの伴奏が入っちゃうと、ハーモニーとかあんまり言われなくなっちゃいますね。

それと、合唱の場合、音楽を聴かせるのに日本語の言葉とか、他にも色んな要素があるんですよね。指導者自身もそんなにハモるということに対して言ったりしないし、あとは、コンクールでもなんでも声が飛ぶかどうかということが評価されたりしますしね。

発声は、すごく重要視されてますよね。声楽でも合唱でも。もちろん、それもとても大事だと思うんですけどね。でも発声に対してはうるさく言われてもハーモニーに関しては、意外と言われないというのが、なんだか不思議な感じが僕はしますが。

Mさん:音大でも、うちの奥さんはピアノ科出身で絶対音感持ってるから、平均律的にがっちりハモるのはできるけれど、アカペラとか弦楽なんかで決まり切ってない音で、もっと美しい音同士があるんだっていう体験が乏しいと思いますね。

Oさん:ここのレッスンを受けると、音感がよくなって、歌が上手になって、カラオケも上手になると思う。音をきちんと聞いて、ハモるだけじゃなくて、自分がその音にあってるかどうかってこともすごく丁寧にやりますよね。そんな機会ってまずないんですよね。

自分がその音が出せてるかどうかって確認をするっていうこと自体があんまりないので、それをマンツーマンでやってもらえるということが、それだけでもすごく貴重な体験だから、うまくなる。歌がうまくなると思います。

実はカラオケ好きな方が生徒さんの中にいらっしゃって、点数があがったって言ってましたよ。

Oさん:上がりますよね。音程が良くなるのだから、必ず上がりますよ。

ありがとうございました。


※こちらは、慎純が講師を務めていた音楽教室の生徒さんの感想です。
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